ロボット支援仙骨膣固定術は、骨盤臓器脱(子宮脱、膀胱瘤、直腸瘤、腟断端脱など)に対する治療として、2020年に保険適応となりました。
骨盤臓器脱に対して行う治療で、治癒率はおよそ90%程度と報告されており、当院でも治療を受けることが可能です。
女性の骨盤の中には膀胱や子宮、直腸といった臓器があり、その関係は下図のようになっています。
骨盤臓器脱とは出産・加齢などにより骨盤底筋が緩み、内蔵を支えている靭帯や筋肉が損傷され、子宮や膀胱が下方へと垂れ下がってしまう(下垂)病気です。
その結果、下腹部の違和感、臓器が出ている不快感、尿が出にくい、頻尿、尿漏れなどの症状が出てきます。
治療には保存的治療と手術治療があります。保存的治療には骨盤底筋訓練やリングペッサリー、フェミクッションを用いられ、症状が軽い場合や手術ができない場合などに行われます。
根治的治療としては手術が行われます。ロボット支援仙骨膣固定術では、子宮を亜全摘した後、残った子宮や膣をメッシュといわれる網で包み込み縫い合わせて固定した後、そのメッシュを仙骨側へと引っ張り上げ固定します。治癒率の高さと、合併症の少なさが利点です。