手術支援ロボット<da Vinci>サージカルシステムについて

柏厚生総合病院では、2019年4月に手術支援ロボット<da Vinci>サージカルシステムを導入しました。2024年1月には<da Vinci Xi>を導入し、2台体制となりました。

ダビンチサージカルシステムとは

ダビンチ サージカルシステム(以下ダビンチ)は、「ロボット」、「コンピューター」、「光学」の各技術を応用して、外科医が行う低侵襲手術を支援する医療機器です。高倍率3D HD技術、専用インストゥルメント(鉗子)、コンピューターソフトウェアの搭載により、術者は鮮明な視野の元でインストゥルメントを操作することでより精緻な手術を行うことができます。

 

高倍率3D HD手術画像により、術者が覗き込むモニターには立体的な術野の拡大画像が鮮明に映しだされます。また、ダビンチの専用インストゥルメントは人間の手よりも大きな可動域を持つため、低侵襲アプローチでより複雑かつ繊細な動きを要する手術を可能にします。さらに、搭載されているソフトウェアが術者の手ぶれも補正するため、より安定した自然な動きで手術を行うことが可能です。
ダビンチは執刀医の手の動きを再現するもので、機械が勝手に作動することはありません。外科医がダビンチを操作すると、システムは外科医の手の動きを患者様の体内にあるインストゥルメントを経由して、より細かく精緻な動きに変換します。

 

世界では過去20年間で約500万人を超える患者さんが、ダビンチによる低侵襲ロボット支援手術を受けています。

2018 年4 月現在、日本においては、下記手術への適用が保険収載されています。
 腹腔鏡下前立腺悪性腫瘍手術
 腹腔鏡下腎悪性腫瘍手術
 胸腔鏡下縦隔悪性腫瘍手術
 胸腔鏡下良性縦隔腫瘍手術
 胸腔鏡下肺悪性腫瘍手術(肺葉切除又は1肺葉を超えるもの)
 胸腔鏡下食道悪性腫瘍手術
 胸腔鏡下弁形成術
 腹腔鏡下胃切除術
 腹腔鏡下噴門側胃切除術
 腹腔鏡下胃全摘術
 腹腔鏡下直腸切除・切断術
 腹腔鏡下膀胱悪性腫瘍手術
 腹腔鏡下子宮悪性腫瘍手術(子宮体がんに限る)
 腹腔鏡下膣式子宮全摘術

ダビンチのご紹介

次の3種類の機器を用いて、医師がロボットのアームについている鉗子やカメラなどを遠隔操作して手術を行うことができる装置です。ロボットは医師の手の代わりとなり、細やかな動きをして医師の技術をサポート(支援)します。


◆ペイシェントカート
4本のアームから構成されるペイシェントカートは、執刀医の手首以上の可動域を持ち、ロボットアームが手の動きを忠実に再現します。
アームはコンピューターによる手ブレ補正機能が搭載されており、安全性の高い正確な手術が期待できます。
da Vinci Xiでは従来の機種よりアーム同士の干渉が少なく、アームの可動距離が長くなったため、より手術がやりやすくなっています。

◆サージョンコンソール
執刀医が座る操縦席(サージョンコンソール)です。
手術部位を高倍率の3D HD画像で、鮮明に見ることができ、手元のコントローラーでロボットアームに装着した内視鏡・メス・鉗子を操作します。
関節機能付きの鉗子は、人の手よりも曲がり、回転し、安定した自然な動きで手術することができます。

◆ビジョンカート
ダビンチのあらゆる機能を司る中枢機器です。
カメラコントロールユニット(CCU)、フォーカスコントローラー、イルミネーターが搭載されており、手術中の画質を最適にする処理を行います。
上部に搭載されているモニターには、手術中の画像が映し出され、手術スタッフ全員で手術の進行状況を共有できます。

患者さまのメリット

ダビンチによる手術のために患者さまの身体にできる切開部は、開腹、開胸手術の切開部に比べて小さいため、低侵襲手術と見なされています。また、ダビンチによる手術に関する研究では、開腹手術に比べて以下の利点があることが示されています。

◇入院期間の短縮
◇出血の抑制
◇合併症リスクの低減
◇鎮痛剤投与量の低減
◇より早い回復
◇切開部が小さく傷痕を最小限に抑えられる

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