治療の概要
CT室で全身麻酔をかけた後、腫瘍にラジオ波の針を刺入し、ラジオ波焼灼を行います。
ラジオ波の針は種類により焼灼範囲が異なりますので、腫瘍のサイズに合わせて針を選びます。腫瘍の中に直径1.5ミリの電極針を挿入してラジオ波電流を流し、電極周囲に熱(70-80度)を発生させることでがん細胞を壊死させます。
2022年9月からラジオ波治療が肺、腎臓、骨、軟部腫瘍に対して保険適応となりました。ラジオ波治療の効果については直径2cm以下の腫瘍では約70%の局所制御が得られると報告されております。
治療方法
CT室で全身麻酔を行います。CTを見ながら腫瘍に針を刺します。腫瘍の大きさによっては2本穿刺します。約30分の間にラジオ波通電を3回行います。治療直後から歩行でき、通常は治療後2-4日間ほどで退院です。最も多い合併症は気胸(肺の針孔から空気が漏れて肺が縮む)ですが、その際には細い管を胸腔内に2-3日間、留置する必要が生じます。
ラジオ波治療と凍結治療の利点欠点
ラジオ波治療の利点は保険適応となるので金額負担が少ないことです。一方、ラジオ波治療の欠点は①腫瘍が2cmを超えると局所制御率が低下する、②凍結治療に比べて肺の炎症反応が強いので、太い血管や気管支の傍にはは施行困難であることです。
ラジオ波治療の合併症
主な合併症は気胸約30%、血痰約30%です。気胸を生じた場合、細い管を胸腔内に2-3日間、留置する必要性が生じます。血痰は1週間以内にほとんど消失しますが、時に止血剤を内服して頂きます。また凍結針刺入部の皮膚に火傷(2度:発赤と浮腫、水疱、びらん)を生じることがあります。
治療費用
ラジオ波治療の医療費用は概ね50万円+部屋代金(5日入院で3万円)=計53万円なので3割負担の方は約17万円の負担となります。ただし高額医療費免除が適応されるので、平均収入の方でのご負担額は約8万円+部屋代金となります。